人気の健診・最新機器

検診に関わる最新医療機器

◆乳がん検診

02 ここ数年、有名人が乳がんであることを公表し、乳がん検診の重要性を訴えたこともあり、特に30歳代からの乳がん検診の受診者が増えているそうです。ここでは、乳がん検診に関わる最新機器をお伝えします。

  • 3Dマンモグラフィー
  • 従来からあるマンモグラフィー検査の最新機器です。従来のマンモグラフィは、乳房を圧迫してX線を照射するという方法(2D撮影)ですが、20~30歳代の方は乳腺組織が厚く、見たい部位が重なってしまい、分かりにくい(判定が難しい)画像となることがありました。
    3Dマンモグラフィは、撮影確度を変えながら複数方向から撮影し、それらの画像を3次元的に構成することができるので、脂肪組織などの重なりを排除でき、判定しやすくなりました。3Dマンモグラフィを備えている健診施設(医療機関、健診センター)はまだ少ないですが、「マンモグラフィー検査」とみなされるため、乳がん検診として利用でき、従来の検査費用と同等の負担額で受けることができます。

  • マンモトームによる組織生検
  • マンモグラフィーで乳房の石灰化を確認しながら、一部の組織を採取します。乳がん検診は一般的に、超音波検査またはマンモグラフィーにて、石灰化している組織の有無を確認しますが、これらの検査で石灰化が見つかった時に、「精密検査」を行います
    マンモトームは、「精密検査」で利用することができます。 近年、若い人に増えている「非浸潤がん」を見つけるのに適していますが、基本的には保険が効きません。ただし、がんと診断された場合、あるいはマンモグラフィなどで精密検査が必要となった人は、保険が適用されることもあります。(保険適用の場合、自己負担金は18,000円程度)

  • Elmammo(エルマンモ) (精査のみ保険適応)
  • エルマンモは、乳がん専用のPET-CT装置です。従来のPET-CTは、全身を撮影できる形状となっており、撮影する機械と乳房の位置が遠くなってしまい、鮮明な画像を撮影しにくいという欠点がありました。このエルマンモは、乳房のみを撮影することができるため、より精細な画像を撮影することができます。 ただし、この検査のみで放射性物質を体内に入れることはあまり推奨されないため、人間ドックなど他部位のがん検診と組み合わせて行うことが多いようです。

    ◆肺がん・胃がん検診、心臓ドック

    日本人の主な死因は、がん、心疾患、肺炎、脳血管疾患です。このうち、がんについては、肺がん、大腸がん、胃がんの順に高くなっており、厚生労働省は「がん検診による早期発見・早期治療」を推奨しています。
    これらのがん検診に使用される最新機器としては、次のようなものがあります。

  • マルチCT(コンピュータ断層撮影)
  • マルチCTは、一度の撮影で広範囲を撮影でき、高精細な画像を得ることで、より確かな画像診断を行うことができるCT装置です。検査時間が短くなり、全身への被ばく量を抑えることができるため、人にやさしい画像診断装置といえます。
    現在のところ、人間ドックや、一般健診で「精密検査が必要」となったときに行う検査ですが、がんや心臓疾患の診断などに使われる場合は、従来のCT検査と同様、保険適用となります(検診では自費です)。

  • PET-CT
  • PETとは、Positron Emission Tomography (陽電子放出断層撮影) の略です。放射能を含む薬剤を体内に取り込み、そこから放出される放射線を、特殊な装置(CT)で撮影し、画像化します。
    PET-CTによる検査は、がんに対するより詳細な検査だけではなく、心筋梗塞などを調べるためにも利用できますが、現在のところは人間ドックや精密検査などで利用され、がんや心疾患の診断を行うときに保険適用となります。健診では自費で糖代謝を利用して行う検査であるため検査前の絶食指示をきちんと守ることが大切です。

    ◆大腸がん

    大腸がん検診は、便を採取して潜血がある(便に血が混じっている)場合に、精密検査を行います。大腸ファイバー検査が一般的ですが、ここ数年、カプセル内視鏡の検査も増えています。

  • カプセル内視鏡
  • 検査用のカプセルを飲み込み、口から肛門までの消化管内を、くまなく撮影する検査方法です。実際にカプセルを飲み込んでから、肛門から排出されるまでに、数時間~12時間ほどかかりますが、その間は自由に過ごすことができます。いったん、家に帰らせる方針の医療機関もあります。人間ドックなどで利用できる場合もありますが、基本的には「大腸がん検診後の精密検査」で利用されます。
    過去に大腸ファイバーで痛みや狭窄により検査が出来なかった人、お腹の手術の経験があって癒着などの可能性がある人は、保険適用となります(3割負担で3万5千円程度)。こういった条件に合わない場合は自費検査となるので、12万程度かかります。

    ◆動脈硬化

    心筋梗塞や脳梗塞の原因には動脈硬化があり、ここ数年、動脈硬化の状態を調べる検査が普及してきました。現在のところ、一般健診や付加健診などで行われることは少なく(健保組合によっては付加健診に含めることもある)、人間ドック(心臓ドック、脳ドックなど)や精密検査の時に行われることが多いようです。

  • CAVI/ABI
  • 両手と両足首の血圧を測ることで、心臓から押し出された血液の血圧が、全身を回るまでの間にどう変化するかを調べます。
     ・血管の硬さ CAVI(脈波伝播速度)
     ・血管の詰まり具合 ABI(上腕と足首の血圧比)
    CAVI値を平均と比べることでおよその血管年齢がわかります。
    これらの結果をもとに、動脈硬化の進み具合を調べ、心筋梗塞や脳梗塞へのリスクを判定します。
    健診では自費ですが、動脈硬化を指摘された人、健診でメタボリックシンドロームを指摘された人、生活習慣病の人は、保険適用となります。

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