ストレス関連疾患

ストレスが引き起こす身体の不調

◆ストレスの定義

ストレスの本来の意味は、外部刺激に対しての緊張状態や防御反応を指します。ストレスの要因として、不安や悩みなどの心理的な要因や、人間関係がうまくいかない、仕事が忙しいなどといった社会的要因のほか、外部からの刺激として天候や騒音などの環境的要因、病気や睡眠不足などの身体的要因があります。


ストレス要因には物理的、科学的、生物学的なものと、社会的因子がありますが、職場問題、家庭問題、経済的問題などの社会的要因は心理的ストレスになりやすいと言われています。日常の中で起こるさまざまな変化や刺激がストレスの原因になりえ死別や離婚といった悲しい出来事だけではなく、就職や昇進、結婚、出産といった喜ばしいはずの出来事もストレスの原因になりうるのです。

◆ストレスサインを見逃さない

ストレスは身体にさまざまな症状を引き起こします。不眠や頭痛、肩凝り、腰痛などを訴えて、採血やレントゲンなどの検査をしても異常が発見できない場合を「不定愁訴」と呼び、その原因がストレスであることもよくあるのです。
うつなどの心の病気であっても、身体の不調が目立つこともあります。病院での検査や診察でも原因がわからないときは、ストレスが原因であることも疑ってみましょう。
心や身体の不調や辛い状態が長く続くときは、このストレスサインに気づくことが大切なのです。

◆ストレス関連疾患

部位主な症状
循環器系本態性高血圧症、冠動脈疾患、起立性調節障害
呼吸器系気管支喘息、過喚起症候群、睡眠時無呼吸症候群
消化器系胃・十二指腸潰瘍、過敏性腸症候群、心因性嘔吐
内分泌・代謝系単純性肥満症、糖尿病、甲状腺疾患、心因性多飲症
神経・筋肉系筋収縮性頭痛、斜頚、書痙、パーキンソン症候群、運動麻痺
小児科領域気管支喘息、過換気症候群、呑気症
皮膚科領域アトピー性皮膚炎、円形脱毛症、慢性蕁麻疹、多汗症
外科領域腹部手術後愁訴(腸管癒着症、ダンピング症候群)
整形外科領域関節リウマチ、腰痛症、肩こり
泌尿・生殖器系夜尿症、心因性インポテンス
眼科領域眼精疲労、本態性眼瞼痙攣
耳鼻咽喉科領域メニエール病、アレルギー性鼻炎、耳鳴
歯科・口腔外科領域顎関節症、牙関緊急症

精神的に不安定である、やる気がでない、不眠などの症状がある場合は次項の「ストレス対処法」を試して見て下さい。ただし、ストレスが原因と考えられる症状が、精神疾患であることも希ではありません。最近よく耳にする「統合失調症」はおよそ100人に1人とよくある病気で、幻覚、幻聴などをおこす病気ですが、意欲の低下や考えがまとまりにくい、人とのコミュニケーションがとりにくいなどストレスと紛らわしい症状も呈します。
症状が改善しない場合は精神科、心療内科の医師に相談してみましょう。

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