ハイフとは?効果・値段・メリット・デメリットを解説【医師監修】
ハイフとは、顔のリフトアップや肌質改善が期待できる超音波治療です。
高密度焦点式超音波治療法(high intensity focused ultrasound:HIFU)の頭文字からハイフと呼ばれています。
超音波照射の熱作用により、コラーゲン・エラスチンの生成やSMAS筋膜(表在性筋膜)を引き締め、お肌のたるみやハリを改善(リフトアップ・タイトニング)します。
ハイフはメスを使うこともなく、異物を体内に注入しない施術であることから、合併症を引き起こす可能性が低いとされています。
また、ダウンタイム(回復期間)も短く施術当日から普段どおりの生活を送ることができます。
ただし、医療事故があるのも事実で、2024年12月時点では合計で94件の事故が起きています。
特に、エステサロンにおけるHIFU施術による事故が多く、2024年には、エステサロンでのHIFU施術が禁止になりました。
(引用:エステサロン等でのHIFU施術にはリスクがあります|消費者庁)
本記事では、ハイフの治療効果や費用、メリット・デメリットについて解説します。
しわ・たるみの治療方法としてハイフを検討されている方は、ぜひ最後までお読みください。
北里大学医学部を卒業後、都内大手美容皮膚科に勤務。美容皮膚科・皮膚科クリニック院長を経て、STスキンクリニック青山を開院。ハイフやポテンツァ、ボトックス治療などの美容医療を提供。プライベートな空間で、通うたびに美しさが引き出されるクリニックを目指す。
- アラガン・ジャパン株式会社認定 ボトックスビスタ®認定医
- アラガン・ジャパン株式会社認定 ジュビダームビスタ®認定医
愛媛大学医学部を卒業後、県立中央病院内科医長、愛媛大学医学部肝癌チームチーフ、広島市立広島市民病院内科部長などを歴任し、2010年に広島ステーションクリニックを開院。消化器・肝臓疾患の診療に従事する中で、画像診断技術と栄養学的アプローチを組み合わせた治療を確立。医師・管理栄養士・トレーナーによるチーム医療で、栄養と運動の観点から改善を目指す。2023年、美容皮膚科x美容内科 MILKY CLOUD Well-being Centerを開設。
- 日本肝臓病学会専門医
- 日本超音波医学会専門医
- 日本消化器内視鏡学会専門医
- 日本消化器病学会専門医
- 日本内科学会認定内科専門医
- 医学博士
- オーソモレキュラー・ニュートリション・ドクター(OND)
- 日本コスメティック協会 スキンケアマイスター・コスメマイスター
ハイフとは?簡単にざっくりと説明!
ハイフは、超音波エネルギーを皮膚の深層部に集中的に照射することで熱を発生させ、コラーゲンの生成を促進しSMAS筋膜(表在性筋膜群)を引き締めます。
これにより、肌のハリや弾力を改善し、自然なリフトアップ効果を発揮します。
ハイフは、2009年に眉のリフトアップでアメリカのFDA(食品医薬品局)から認可されました。その後、顎下・頚部のリフトアップ,デコルテのシワ改善についても追加承認を受けています。それ以外にも眼の周囲などでも効果が報告されています。
本来、ハイフは前立腺がん治療などに用いられる治療技術です。その技術を美容目的に転用し、たるみやハリの改善を目的に使用しています。そのため、医学的な観点から医師が施術を行うように定められています。
ハイフと他の医療機器によるリフティング治療の違い
しわ・たるみの改善のために使用される主なレーザー等機器は、以下のとおりです。
HIFU ハイフ |
高密度焦点式超音波治療法 (high intensity focused ultrasound) |
超音波エネルギーを用いることで、 皮膚の深層部(SMAS筋膜)まで効果的にアプローチできる。 |
---|---|---|
FLSR | フラクショナルレーザー療法 (fractional laser skin resurfacing) |
レーザーを照射し、主に表皮や真皮上層部(皮膚の浅い層)にアプローチする。 美白やシミ改善に効果的。 |
RF | 高周波治療 (radio frequency) |
電磁波を用いて皮膚を加熱し、コラーゲン生成を促進。 皮下組織までアプローチするが、ハイフがアプローチする深層部まで到達しない。 |
ハイフは、他の医療機器によるリフティング治療と比較して、いくつかの特徴があります。
エステハイフと医療ハイフの違い
エステハイフと医療ハイフの違い | ||
---|---|---|
医療ハイフ | エステハイフ | |
使用機器 |
焦点式
|
蓄熱式
焦点式より出力弱い |
効果の持続期間 |
約3ヶ月~半年
|
約1~2ヶ月
|
施術者 |
医師
看護師など医療従事者 |
医療資格のないエステティシャン
|
費用* |
約3~20万円
|
約3000円~3万円
|
エステハイフの施術は、2024年6月から、事実上の禁止となりました。医師免許を有しない者がハイフ施術を行えば医師法第 17条に違反すると厚生労働省より通達が出ています。
ハイフ施術は、医師が医療提供施設において行う。
医師免許を有しない者が行った高密度焦点式超音波を用いた施術について HIFU 施術に対する医師法の適用
引用:厚生労働省医政医発0607第1号(令和6年6月7日)
ハイフは、超音波照射により皮膚の深層部にアプローチする施術です。解剖学的な知識やハイフ施術の理解不足から起こるケガなどの報告が増加し、問題視される事となりました。
−エステサロン等での HIFU(ハイフ)による事故− エステサロン等では現在でも HIFU 施術が⾏われ、神経・感覚の障害、熱傷などの被害も報告されているのが実状である。
引用:消費者安全法第 23 条第1項の規定に基づく事故等原因調査報告書【概要】
現在ではエステサロンでのハイフ治療は受けることができません。医療ハイフにおいてもリスクはあるため、施術前のカウンセリングなどでしっかり確認を行うことが大切です。
ハイフの効果が実感できるのは約3週間後からで、持続期間は3か月から半年程度
ハイフの効果は即効性があり、施術直後から実感できることもあります。この後、徐々に効果が上がっていき、施術後1か月でピークを迎えます。
ハイフは超音波を照射することで、お肌の深層部で熱作用により刺激され、徐々に回復するとともにコラーゲンやエラスチンが産生され引き締め効果を発揮します。この1~3か月の期間が肌の引き締まりの効果を実感する期間です。
効果のピークに合わせて、大切な予定の3週間〜1か月前にハイフの施術を受けるのもおすすめです。
上述していますが、エステハイフの場合は効果の持続時間が短くなるため注意が必要です。
医療ハイフの場合は、出力エネルギーを調整できるため、強い出力で施術し効果の実感や持続期間をのばすこともできますが、痛みなどのデメリットが出るため、クリニックでよく相談することが必要です。
効果の持続期間は個人差がありますが、約4~6ヶ月ほど続くとされています。この効果を長く保つためには、日常のスキンケアや生活習慣の見直しが重要です。
具体的には紫外線対策や肌の保湿をしっかり行い、質の良い睡眠やバランスの取れた食事で肌の健康を保つことが大切です。さらに、必要に応じて定期的なメンテナンスを受けることで、より長く効果を実感し続けることができます。
ハイフを施術したときのダウンタイム【期間別で紹介】
ハイフの施術後、超音波で高いエネルギーをお肌に与えるため、腫れ・痛みといった副作用が出ることがあります。
施術後の経過は以下を参考にしてください。
副作用など気になる症状があれば、すぐに施術を受けたクリニックに相談してください。また、半年を目安に2回目の施術を受けると、よりハリのあるお肌を維持できます。
これらは数日から数週間以内に自然に治ることがほとんどです。施術後は血流を良くする行動(入浴や激しい運動など)を避け、保湿をしっかり行うことで回復が早まります。
稀に、水疱や神経症状といった副作用が現れることもあります。その場合は速やかに施術を受けたクリニックに相談し、適切な対応を受けることが重要です。事前にリスクを理解し、医師の指導を守ることで安心して治療を受けられます。
ハイフで期待できる効果一覧
ハイフは、超音波のエネルギーで皮膚の深層部に働きかけ、コラーゲン・エラスチンといった美容成分を生成させ、肌のたるみやハリを改善する施術です。また、SMAS筋膜(表在性筋膜)を引き締め、フェイスラインを引き上げる効果もあります。
この効果のほかにも、肌の状態をアップさせ肌質を改善することや、ダイエット効果も期待できます。ハイフは顔の施術だけでなく、肌の引き締めやダイエット効果を狙う場合、お腹や二の腕など全身の照射が可能です。
施術後のダウンタイムが少なく、すぐに日常生活を送れることもハイフが選ばれる理由です。
顔のたるみを改善しフェイスラインを引き上げる【リフトアップ・タイニング】
年齢を重ねると皮膚がたるむ原因は、顔の皮膚構造を支える繊維状の筋膜組織であるSMAS筋膜(表在性筋膜群)がゆるむことによりおこります。
ハイフは、皮下4.5mmのSMAS筋膜や皮下3.0mmの真皮層に超音波を照射し、熱エネルギーを与えることで筋膜を引き締める治療法です。
フェイスラインや口角のたるみを改善し、フェイスラインを引き上げリフトアップ効果が期待できます。また、真皮層にも熱を加えることで、お肌の引き締め効果も期待できます。
ハイフは、メスや注射を使用せず機器により超音波を照射する治療法なので、ダウンタイムも少なく日常生活にすぐ戻れることもハイフが選ばれる魅力の一つです。
美肌成分の生成を促進し、肌の再生力を高める【肌質改善】
ハイフの超音波照射によりダメージを受けた皮膚組織が修復する際、新しいコラーゲンやエラスチンといった美肌成分の生成を促進します。これにより、 肌の弾力やハリなどの肌質改善の効果が期待できます。
また皮膚組織が修復する際にみられる効果として、ターンオーバーが促進され古い細胞と新しい細胞が入れ替わり、肌質を改善する効果も得られます。
施術直後から約3ヶ月は美肌成分の生成は続き、その間、肌質改善効果も持続します。皮膚のハリが改善することで、たるみ毛穴や肌のツヤが改善し、キメの整ったお肌への効果が期待できます。
コラーゲン繊維を収縮させ肌を引き締める【しわ・ほうれい線の改善】
加齢によるお肌の悩みで多いのが、しわ・ほうれい線・マリオネットラインです。これらの多くは頬や口元の皮膚がたるむことが原因です。
ハイフは、超音波照射により皮膚の深層部に熱エネルギーを加え、コラーゲン繊維(SMAS筋膜)が収縮することで皮膚が引き締まります。 目元や口元など気になる箇所への照射により、しわ・ほうれい線も目立ちにくくなります。
また、先にも述べていますが、美肌成分(コラーゲンやエラスチン)の生成が促進すると、お肌にハリが生まれるため小じわの改善にも効果的です。
ハイフでSMAS筋膜を引き締め、コラーゲンやエラスチンの生成効果からお肌のハリを戻し、より若々しい印象になれます。
脂肪細胞を破壊し老廃物として排出【照射部のダイエット効果】
ハイフは、ダイエット効果(部分痩せ)も期待できます。脂肪が気になる部位に超音波を照射し、脂肪細胞を破壊します。破壊され機能しなくなった脂肪細胞は、老廃物として体外に排出されます。
老廃物の排出は2~3週間かかりますが、徐々にダイエット効果を実感できるます。しかし、一度の施術は理想のダイエット効果を実感するのは難しいです。効果を実感するためには3~5回の施術が必要です。
脂肪が気になる部位、お腹や二の腕など食事制限や運動などで痩せにくい部分の引き締めに効果的です。
ハイフのデメリット・副作用をご紹介
さまざまな効果が期待できるハイフですが、デメリットや副作用もあります。
ハイフ施術を検討している方はリスクも事前に知っておくことが大切です。
施術中は痛みや熱さを感じることがある
ハイフは、超音波を使用し皮膚の深層部に熱エネルギーを与えるため、照射時に痛みや熱さを感じることがあります。出力数・照射部位・使用する機器・施術者の技術・施術を受ける方の体調などによって痛みの程度は異なります。
照射部位によっても痛みの感じ方は違います。一般的に皮膚や脂肪が薄い部位は痛みを感じやすいです。目元は皮膚が薄いため、熱によるヒリヒリ感やチクチク感を感じやすい部位です。頬やフェイスラインは骨に響く痛みが出やすい部位です。
ほとんどの方は我慢できる程度の痛みですが、痛みが心配な方は、事前にカウンセリングで相談してください。表面麻酔などの対応ができるクリニックもあります。
通常、施術直後は痛みはありませんが、筋肉痛のような痛みが後に出てくる場合もあります。その場合でも、痛みは1ヵ月ほどかけて徐々に消えていきます。
熱量が強すぎてヤケドをするリスクもあるので、痛みを強く感じる場合には、我慢をせずに施術者に伝えましょう。
強い痛みを感じた際の主な対策は、以下のとおりです。
* 麻酔をしてもらう
* 出力を下げてもらう
* 使用機器を変えてもらう
* 経験豊富な技術者に施術してもらう
施術後は肌が乾燥しやすく、肌トラブルが起こりやすくなる
ハイフの施術は高温の熱を照射するため、一時的に肌の水分量が減少します。そのため乾燥しやすく、摩擦や紫外線などの刺激によるダメージを受けやすくなります。
ダウンタイム中の症状をできるだけ抑えるために、以下の注意点を守ることが大切です。
施術後約1か月は、肌トラブルを回避するためにも注意が必要です。
特に、施術当日は高温や長時間の入浴・過度の飲酒・激しい運動など代謝を促進するようなことや、照射部位のマッサージは控えます。
数日は赤みや腫れが発生することがある
ハイフ照射による熱作用により、肌に赤みや腫れの症状が出ることがあります。
施術後のダウンタイムは、個人差がありますが数日で落ち着いてくることが多いです。
赤みや腫れの症状は、化粧で隠せる程度です。赤みは、施術部位の血行が促進されることが原因で起こります。腫れは、組織の炎症反応によるものです。
赤みが気になる場合は、施術部位を冷やすようにすると症状が軽減されます。しっかりと保湿を行い、施術直後は激しい運動や長時間の入浴を控えることも大切です。
一週間を過ぎても症状が落ち着かない場合は、施術を行ったクリニックに相談してください。
非常に稀ではあるが、骨に近い部分を施術した場合は水ぶくれが発生する可能性がある
ハイフ照射で水ぶくれの副作用は非常に稀ですが、骨に近い部位を施術した場合に発生することがあります。
骨に反射した超音波の影響によるものです。
水ぶくれの発生は、施術者の技術不足により起こることが大半です。
目標部位の深さに合わせて照射していきますが、皮膚や脂肪の厚み・骨までの距離は個人差が大きく、照射角度・深度・出力の強さを誤ると熱傷になってしまう可能性があります。
その後、感染症や色素沈着を引き起こす場合もあります。
施術中に強い痛みを感じる場合は熱傷の可能性があるので、すぐに施術者に申し出るようにしてください。
2024年10月には、ハイフ施術でやけどと水ぶくれを負ったとして、エステサロンに賠償を求めた裁判が始まりました。医師免許を持たない者による施術の違法性を問うはじめての裁判です。エステサロンでのトラブルも多く、施術を受けるクリニック選びも重要となります。
施術者の技術や知識がないとしびれや頭皮の違和感が起こることも
施術者の技術や知識がないと、過度な出力で照射してしまい、しびれや神経損傷が発生することもありますが、発生頻度は非常に稀です。
そのため、ハイフの施術を受ける際は「クリニック選び・施術を行う担当者の選び方」が重要です。
額への照射で頭皮の違和感、しびれが生じることもあります。
額には、ハイフを照射する深さの位置に、頭皮への知覚神経があります。
額に照射すると頭頂部へ響くような痛みやしびれが生じます。その後、ブラッシングなどによる違和感が数週間続きます。
多くの場合は数日ほどで落ちつき、症状が残ることはほとんどありませんが、施術後にこれらの症状が生じた場合はすぐにクリニックに相談してください。
ハイフ施術は、神経などの構造や機械の特性を把握している医師でなければ、難しい施術です。
* 赤み、腫れ、浮腫み
* 肌の乾燥
* 筋肉痛のような痛み
* 紫外線の影響を受けやすくなる
* しびれや麻痺
* 熱傷
ハイフ治療後は、超音波の熱エネルギーで組織がダメージを受けています。そのため、肌が敏感で浮腫みやすいため、次のような点に注意しましょう。
* 保湿や紫外線対策を徹底する
* 照射部分のマッサージやサウナ、長湯、激しい運動などの血行を促進する行為は控える
* 施術日はお酒は控える
副作用が長引いたり範囲が広がったりした場合は、放置せず、早めに医師の診察を受けるようにしましょう。
ハイフの値段【機器・医療用・エステ用別で紹介】
機器名 | 料金 |
---|---|
ウルトラ | 約20万~70万円 |
ウルトラフォーマー3 | 約4万円~20万円 |
ウルトラセルQ+ | 約8万円~20万円 |
ダブロゴールド | 約3万円~20万円 |
ソノクイーン | 約4万円~20万円 |
機器名 | 料金 |
---|---|
エステ用ハイフ | 約3000円〜3万円 |
*自由診療における料金、顔全体1回の場合の施術料金です。
ウルセラは、アメリカのFDA(食品医薬品局)からリフトアップ効果の承認を受け、効果と安全性が確認されている唯一のハイフ機器です。導入しているクリニックが多い人気の機器です。
ウルセラは、パワーが強く正確に焦点を合わせられるため、約6か月〜1年と他のハイフ機器と比べて長い効果持続期間を有し、高いリフトアップ効果を得られます。
ウルセラは、トレーニングを受けている医院・医師しか輸入代理店より購入できません。トラブルが起こるリスクが低くなることなどを考慮すると、最も高い金額になるのも理解できます。
ハイフ機器を選ぶ際は、1回の施術で得られる効果と続けて施術できるかということが大切です。痛みが強くて我慢できない場合や費用が高すぎて継続できない場合など、効果が高い機器でも続けて治療することができません。
予算と効果のバランスも大切です。自分に合った施術を選ぶことをおすすめします。
ハイフの効果が出やすく利用をおすすめする人の特徴
ハイフは、加齢による肌のたるみが気になる30代以上の人に向いています。超音波による熱エネルギーを利用した施術なので、皮膚を切る必要がなく、仕事などの都合でダウンタイムの少ない施術を希望する人でも受けやすい施術です。
ハイフは目のまわり・頬・フェイスラインなど顔のほとんどの部位に対して施術ができます。ハイフを照射することで、リフトアップ効果や美肌効果などを実感できます。
ハイフの効果が出にくく利用をおすすめしない人の特徴
ハイフは、皮下脂肪の少ない部位では効果が期待できません。もともとフェイスラインがシャープで顔に脂肪の少ない人が、小顔のためにハイフを照射すると、頬がこけて老けて見える可能性があるので、注意が必要です。
加齢によって皮膚がたるむ原因は、顔の皮膚構造を支えるSMAS筋膜がゆるむことによりおこります。ハイフは、SMAS筋膜へアプローチすることにより効果を発揮します。
20代以下の人は、SMAS筋膜がまだそれほど緩んでいないことから、30代以上の人ほど効果を実感できません。個人差があるため年齢で区切ることはできませんが、 丸顔やフェイスラインが気になる20代の人は、ご自身に合うほかの施術方法をカウンセリングで相談してください。
また、たるみが大きく進行したお肌の場合、ハイフでは効果を実感できない可能性があります。外科的な施術方法などほかの施術方法を検討することも必要です。
【失敗しない】ハイフの効果をしっかり出すためのポイント
ハイフの効果をしっかり出すためには、事前準備も必要です。 クリニックを選ぶことから始まります。安心して治療を受けるために信頼できるクリニックを選ぶこと、定期的に繰り返し施術を受けるために通いやすい場所であることなどが大切です。
施術後のアフターケアも大切です。アフターケアの方法なども丁寧に説明してくれるクリニックだと安心です。わからないことや気になることがあれば、なんでも相談してください。
エステサロンではなくクリニックで医療ハイフを受ける
ハイフは医療行為に当たるため、エステサロンではなく、クリニックでの医療ハイフをおすすめします。2024年6月から、医師免許を有しないスタッフがハイフ施術を行えば医師法第17条に違反すると厚生労働省より通達が出ています。
ハイフは、施術者は医師、施術場所は医療提供施設で実施するように厚生労働省が見解を示しています。
引用:厚生労働省医政医発0607第1号(令和6年6月7日)
解剖学的な知識やハイフ施術の理解不足から起こるやけどや神経障害などの報告が増加したことが、問題視されるようになった原因です。エステハイフの施術は、事実上禁止となりましたが、実際はまだ行っているエステサロンがあるかもしれません。
2024年10月には、ハイフ施術でやけどを負ったとしてエステサロンに賠償を求める裁判が始まりました。医師免許を持たない者による施術の違法性を問う初めての裁判です。エステサロンでのトラブルも多く、施術を受けるクリニック選びも重要となります。
技術力の高い施術者がいるクリニックを選ぶ
同じ金額で同じ施術を受けるのであれば、技術力の高い施術者に担当してもらいたいのは当然です。医師、看護師、医療資格を持たない者、この施術者の違いは大きいです。
クリニックのホームページに、医師による施術と記載されているクリニックもありますが、ほとんどの場合記載がありません。その場合は問い合わせやカウンセリングで確認してください。
クリニックのホームページを確認するときに確認すべきポイントは以下の通りです。
医療法における病院等の広告規制について(厚生労働省)によると、安さや効果を強調した表現や有名人の推薦などは、広告として禁止されています。
ビフォーアフターの写真を掲載するのであれば、治療内容・費用・治療の主なリスク・副作用などに関する事項を詳細に説明している場合のみ認められています。
メリットだけが記載されているクリニックではなく、副作用や日常生活への影響などリスクについても記載してあるクリニックの方が信頼できます。
また、カウンセリングでは、クリニックの雰囲気、質問に丁寧に答えてくれるかどうかなど、スタッフがきちんと教育を受けているかがわかるので、いくつかのクリニックでカウンセリングを受けてみることをおすすめします。
施術後の肌のケアを怠らず肌トラブルを防ぐ
ハイフ施術後の肌は乾燥しやすくなります。 乾燥した肌は外部からの刺激を受けやすくなるため、 丁寧に肌のケアを行い、肌トラブルを防ぐことが大切です。
クレンジングや洗顔・メイクをする際も刺激を最小限に抑えることが大切です。低刺激な洗顔料を使用し、ぬるま湯でやさしく洗顔します。
施術後に血流が促進される行動をとると、赤みなどの症状が出やすくなります。熱いお風呂・激しい運動・サウナ・飲酒・マッサージなどは、施術後数日は控えます。
ハイフの施術後は肌のバリア機能が失われ、紫外線による影響を受けやすくなります。日焼け止めは、季節・天候に関係なく常に使用することが基本です。
【実体験】ハイフをやって後悔したという人のブログを紹介
インフルエンサーがSNSでハイフのビフォーアフター写真などをアップしているのを見ると、自分もやってみたいという気持ちになるのも当然です。
しかし 施術を受ける前にハイフのメリット・デメリットを知っておくことが大切です。カウンセリングで自分に合っている治療法なのか、痛みや副作用が出た場合にはどうすればいいのかなど相談できるクリニックを選ぶことが後悔しないために必要です。
20代でも小顔効果を期待してハイフ治療を受けることができるとXで見て、治療を受けました。たるみの出てくる30代からの治療が効果的だということですが、ネット上には小顔効果のビフォーアフターの写真も出ていたので効果があると思いました。しかし、私の場合、もともと痩せ体質のため、ハイフ治療によって頬がよりこけた印象になってしまいました。治療を受ける前に他の治療方法についてもカウンセリングで相談すればよかったです。
ハイフは今までに3~4回受けたことがあり、それなりに効果は感じていました。けいれんが起きたのはこの時が初めてでした。自分では動いている自覚症状は無く、鏡で下まぶたを見るとヒクヒクしているのがわずかに目視できるくらいでした。医師からのアドバイスで、目を酷使しない生活を心がけてみた結果、3週間が経つ頃には症状が出なくなりました。
ハイフについてよくある質問
ハイフをやめたほうがいい理由は何ですか?
ハイフは、加齢による肌の悩みをもつ方には、副作用の可能性も低く、リフトアップなどに効果的な施術方法です。
ただし、ハイフに向いていない人もいるので、よく検討してから施術を受けてください。
アトピーや持病がある方、日焼けしている肌の人もカウンセリングでハイフの照射ができるか医師に確認してください。
他にも、「ハイフの効果が出にくく利用をおすすめしない人の特徴」で紹介した20代以下の若い方や脂肪の少ない方も効果が出にくく、やめたほうがいいといわれる理由の一つです。
ハイフの料金は1回いくらですか?
ハイフ施術の料金は、エステ用か医療用かで大きな差があります。また、使用する機器でも料金に差があります。
エステ用の料金は顔全体1回で約3000円〜3万円とリーズナブルですが、医療用では顔全体1回で約3万円〜70万円と大きな差が出てきます。
なかでもウルセラという機器を使用した場合は、最も料金が高くなります。1回約20~70万円です。ウルセラは、アメリカのFDAで唯一リフトアップに効果がある医療機器として認可を受けています。
ウルセラは高い熱エネルギーで照射しますが、その分痛みを伴います。照射サイズを小さくすることで痛みをおさえたウルトラウォーマー3は約4~20万円で照射することができます。
ウルトラセルQ+は、超音波でピンポイント加熱します。顔全体1回の施術は約8万円~20万円です。
このように機器により費用の差は大きく、 狙って効果を出したい部位がある場合と顔全体で照射したい場合とでは機器選びは異なるため、機器選びと費用のバランスを考慮して決定します。
ハイフは何に効くの?
ハイフには、主に4つの効果があります。
加齢による皮膚のたるみは、顔の皮膚構造を支えるSMAS筋膜(表在性筋膜群)がゆるむことによりおこります。ハイフは、皮層の深層部SMAS筋膜にまで超音波を照射し、熱エネルギーを与えることで筋膜を引き締める治療法です。
ハイフ施術により、皮膚のたるみを改善し、フェイスラインを引き上げる効果や肌を引き締める効果を発揮します。また、コラーゲンやエラスチンといった美肌成分の生成を促進し、肌質改善の効果も発揮します。
また、部分的に超音波を照射し脂肪細胞を破壊することで、ダイエット効果も期待できます。
ハイフは癌になるって本当?
ハイフで癌になるといわれる原因のひとつに、ウルセラ治療を受けた人が舌癌になったという噂があるからです。しかしウルセラが直接癌の原因になったとは認められていません。
現時点で、ハイフが癌の原因になるという科学的根拠や因果関係は無いといわれており、国内でハイフによる癌の発症事例はありません。
ハイフは皮下組織に熱エネルギーを照射する施術で、臓器への影響は少なく癌の原因になるとは考えにくいといわれています。
ハイフでたるみが悪化することはない?
ハイフは超音波を照射しSMAS筋膜を引き締める施術です。それと同時に脂肪細胞を破壊する効果もあります。顔に脂肪が少ない人が施術を受けると、脂肪がさらに減少してしまい、たるみの悪化や頬がこけたようにみえる可能性があります。
また、ハイフを照射する位置により、たるみが悪化する場合があります。顔の上部(頬やこめかみなど)に照射し、その部分の脂肪が減ると、余った皮膚だけが下方に残りたるみが目立つようになります。
ハイフを打ってはいけない箇所ってある?
ハイフを打ってはいけない箇所は主に3つあります。
これらは、重要な組織を傷つけてしまう可能性があります。甲状腺ホルモンの異常や失明の可能性、リンパ節への照射による免疫異常などです。このようにハイフ治療は、解剖学を理解した医師による施術が安心です。
ハイフとは?まとめ
ハイフは、超音波を皮膚の深層部(皮下4.5mmのSMAS筋膜)に集中的に照射し熱エネルギーを与えることで、SMAS筋膜(表在性筋膜群)を引き締め、コラーゲンの生成を促進させる治療法です。
年齢を重ねると、皮膚構造を支える繊維状の筋膜組織であるSMAS筋膜がゆるみ、皮膚のたるみやしわなどの症状が現れます。
ハイフ治療により、SMAS筋膜を引き締まり、結果として肌のリフトアップやタイトニング効果が得られます。
それだけでなく、ハイフ治療の過程で皮膚組織が修復する際、コラーゲンやエラスチンといった美肌成分の生成を促進し、肌の弾力やハリなどの肌質改善の効果も期待できます。さらに脂肪細胞をターゲットにし、ダイエット効果(部分痩せ)も期待できます。
これらの治療は医療行為であり、医師が施術をすることが望ましいです。エステで行われるハイフもありましたが、医療知識のない施術者による行為で、副作用などがみられることもあり注意喚起されています。
痛みや赤み、ひどい場合はやけどや神経障害など、ハイフにはリスクも伴いますが、アフターケアも万全なクリニックでの施術を行うようにすることが大切です。
ハイフは、外科手術なしで、自然なリフトアップを目指す治療方法です。美容医療がはじめてでもチャレンジしやすい施術です。
施術前に、 効果・費用・ハイフが自分の理想の治療に合っているかなど、カウンセリングでしっかり相談してください。
さらに医療用ハイフは医師免許を持つ医師のみが取り扱える機器を使用し、効果的で安全な施術方法が日々研究されています。一方、エステハイフは低出力で設計されており、効果が穏やかな分、十分な結果を得られない場合があります。
ハイフはさまざまな層に熱を加える治療法で、解剖学的知識がないとトラブルを引き起こす可能性があるため、資格を持つ施術者のもとで受けることをお勧めします。